お花見? ーサクラじゃないよ

  その花は、四谷大塚版予習シリーズ理科4上 第6回「春のころ」Q&Aのページを飾っている。はたまた、理科6上 第6回に 《夏の間、地上部分が枯れている草》を問う設問でその花(草)が登場する。ソメイヨシノと同じ時期に見頃となるこの花

落ち葉やドングリのふかふかの床から咲いています。

落ち葉やドングリのふかふかの床から咲いています。

                             〈 カタクリ〉

  23区内で唯一、野生のカタクリが群生しているのが、練馬区大泉町の「清水山の森」。今、雑木林の北側斜面は、このカタクリの淡い紫の絨毯のようだ。日が経つと、紅紫色へと濃く色づく。

カタクリは水を好む性質があるようだ。だから雪が多く、腐葉土が水分を含む所などに咲く。この清水山の森の中には、東京の名湧水57選に選ばれた湧水があり,その水が園の入り口付近(ふもと)を流れる白子川に注ぐ。林床の地下は、幾筋もある水路を水が流れているのであろう。

下から鏡で花弁の内側を見る。伝統的な型のような 模様が みえる

下から鏡で花弁の内側を見る。伝統的な型のような 模様が みえる

 万葉の時代にも歌に詠まれているこのカタクリは、早春期植物(spring ephemeral 春のはかない命)といい、フクジュソウもこのなかまに入る。 このような植物は、冬に林の木々が落葉して林の中が明るい間に、全身に光を浴びて、花を咲かせ、結実する。木々の葉の芽が大きくなり、再び新緑が目に眩しい頃までの約2ヶ月というほんの一刹那だけ地上に顔をのぞかせているのだ。そして5月中旬頃までに葉を枯らせて、地表からは姿を消す。生き残るにはそれなりの知恵があるわけだ。

  この間に細長い根の部分(鱗茎という)に光合成によってつくった養分を蓄え、地下深く(15〜20㎝)成長し、その後は、約2年間休眠する。(産休みたいなもの)

「片栗粉」は、この鱗茎の上質なデンプンは食用に供していた時の名残だ。

ーーーーちなみにこのカタクリの花言葉は ◯◯◯◯です。(想像して)

カタクリの不思議
◯虫媒花なのに、虫に目立たないように下を向いて花を咲かせるはなぜだろう?
    雨で、おしべの花粉が流れてしまうという説があります。
◯下を向いた花弁内側に濃い紅色の模様があるのはなぜ?
    虫に花の蜜がある場所を教えてるという説があります。
◯種子から約7年間は 無性個体で、それ以後有性となって開花するが、その後も有性から無性へ、無性から有性へと性が転換するのはなぜ?
     地下の貯蔵物質と関係があるという説があります。
◯カタクリの語源は?
     カタハカノコ→カタカゴ・カタコ→カタコユリ・カタクリという説(和泉 晃一氏)

というわけで、サクラの下で、いやカタクリの上で、お花見でした。

花言葉 わかったかな。 科学的ではないけどね。

花言葉 わかったかな。
科学的ではないけどね。

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