アラバマ シェイクス

   朝もやの中ののガランとした人気(ひとけ)のない舞台、まるで掃除を待つ場末のジャズクラブのようだ。しだいに濃くなったスモークの間から‥‥‥姿を現した。
 アラバマシェイクのボーカル ブリタニー様の登場だ。いっせいに「ブリタニー!」黄色い歓声が渦巻く。さほど表情を変えずに、愛用の青緑色のギブソンのギターを首にかける。オールスタンディングのライブ、僕は前から2列目、youtubeなどで観ていたとはいえ、彼女の二の腕の太さやふくらはぎだけでなく、すべてに均整のとれた(?)大きさに圧倒されて、おそらく口を半開きにして、チャーミングな彼女をじっと見つめていたに違いなかった。
 《Future People》が始まった。一昨年の4月にリリースされた2作目の新譜 「SOUND & COLOUR」は、arabama shakes (2)R&Bやハードロック、ソウル 、ジャズ、ゴスペル、カントリー、‥あらゆる音楽の香りが詰まって、それでいてどの曲も洗練されていた。もちろんボーカルの比類なき声量とリズム感のバランスにたちまち魅了された。時には聴衆に向けて語りかけるように唄い、シャンソンやはたまたオペラのように曲を演じるブリトニーの才能を堪能した。折しもグラミー賞が発表された。アデルもよいがブリタニーもいい。(2016.12月 新木場スタジオコースト) youtubeは参考まで

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