ランチでGO!!
メーヤウ 信濃町/わかば 四ツ谷

 信濃町の「メーヤウ」にカレーを食べに行く。4年前に他界された現在の店主である娘さんのお父様が、学生時代にタイを旅行中、現地で食べたカレーの旨さに惚れ込み、1983年にこの店を創業した。日本のタイカレーの草分けである。素朴なタイの家庭料理をもとに日本の食材を使って進化させたタイ風カレーだ。メーヤウはその先代の好きだったタイの北部の村の名前のようだ。

 タイ風牛スジ煮込みそばがついて、ちがう味のカレー3種類から選べるセットメニューがある。カレーとそば、蕎麦屋では定番の満腹セットだ。蕎麦屋のカレーは、出汁が効いててそれはそれで独特だが、こちらはココナッツミルクのタイ風カレーそして味のあるスジが旨い米粉の麺。サッパリしたアジアの屋台風の汁そばだ。だいぶ趣は変わるが、テッパンのコラボには変わりない。メーヤウカレー(大辛Aセットを注文する。

 そこかしこで、客がゴホゴホ咳き込みながら食べる。辛いのだ。汗が吹き出る。カレースープをご飯に少しずつ、かけては食べ、食べてはかけてを繰り返す。ジャガイモ、骨つきチキン、ゆで卵がスープから素朴な顔を覗かせる。しっかり味が馴染んでいる。

 開店の数分前には10組くらい並んでいた。注文してから5分くらいで出てくるので、ランチ時間は30分もかからない。店の中は、女性も多く、老夫婦も向かい合って食べている。場所柄、医者らしい若者たちが病名を言い合いながらせからしく手と口を動かす。持ち帰りを希望する客も次から次へと途切れない。店を出る時も同じくらい行列が続いていた。

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 お腹一杯の幸福感につつまれるが、口の中のヒリヒリ感を癒したくなる。新宿通りを四谷方向に進んだ、鯛焼きの老舗わかばに足が向く。昭和28年創業、自家製のつぶしあんが頭からしっぽまでぎっしりつまっている。液体に近い練りあんより固めた甘納豆に近い濃厚なあんこだ。甘塩っぱいのもこの暑さにはたまらなくいい。お得感も変わらない。こんな老舗にコスパとかいう言葉は似合わない。萌黄色の菱形模様の紙で、ガサガサくるっと、フワッとくるむのが実に昭和的で今は希少になった。

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