教育コラムー雑感
「ビバ、ガラパゴス!」

   かつて日本のポップミュージックシーンを支えたアーティスト小沢健二「オザケン」が22日に 19年ぶりのシングルを出しました。アルバムの発売が朝日新聞の一面に広告されました。その中に「 ビバ、ガラパゴス!」いう題目の彼のエッセイがあります。

   世界の中で取り残されている、 時代から取り残される、みんなの中で取り残されている、その《世界》や《時代》そして《みんな》が、どれだけ曖昧なものかは別にして、そうであるとしても、それ自体が独自の人生観やライフスタイルの表象であって、むしろ個性的であるという意味で誇らしいではないか‥というのがこの「ビバ 、ガラパゴス!」の私の(拡大?)解釈です。

   ガラケー?いいじゃあないですか、私は、子どもがスマホを持つのは遅ければ遅いほどいいと思っています。私の上の息子は、高校2年生の秋にガラケーからスマホに変えました。皆がスマホになると、部活の連絡網がLINEになり、とうとう変えざるを得ません。ちなみに電子辞書は大学に入ってから使うようになりましたが、どうやら今でもボロボロの紙の辞書の方が使いやすいようです。(シメシメ)         しかしもちろん時代の変化は急速です。娘がスマホに変えるのは、高校1年でした。私ごときに時代の洪水をせき止めることはできません。(笑)

   新し物好きが多くなって、いにしえから横並びを是とするこの国では、ささっと時代の波に足をすくわれてしまいます。選択肢が多いようで、実は硬直化しているのも現実です。

   新しいものより古いものを丁寧に使ったり、リメイクして使う方が、カッコ良いと思います。必要がないのに流行で持つこと自体がなんだかダサいのです。「一人だけガラケー」「すげえカッコいい」と思うのですが、子どもたちにしてみれば「訳わかんない」でしょうね。(笑) 無論その価値を子ども伝えるのは難しいことです。

   その昔、私が絵画教室に行くのに 母が着なくなった洋服の布を合わせて縫い合わせたパッチワークのトートバック(道具袋と呼んでいたと思います)が なんと嫌だったことか‥‥ 、友達の多くが持ってるヒーローもののバッグが欲しかった自分を思い出します。大人になって初めて、その二つと無いオリジナリティーがなんと希少で貴重なものかがわかるものです。

  ビバ 、ガラパゴス!
そう呼べる、そう誇れるものは 何ですか?

2017.02.26更新|MJ通信