教育コラム 雑感ーサッカーも野球も 勉強も

   高校生の部活の中でも、サッカー部は特に受験勉強との両立に悩みが多い。なにせ1月の「国立」を目指すから、強いサッカーを追求すると、必然的に引退の時期が遅くなる。引退のタイミングは、ちょうど紫陽花が梅雨の雫に濡れる頃、都大会の予選に敗退し、「夏」を目前としてサッカーを続けるか、勉強をとるかの岐路に立つ。サッカーを選ぶと受験勉強に専心出来るのが10月とか11月になる。ふつうは間に合わない。だから全国レベルの多くのサッカー少(青)年たちは、推薦で大学を決めて、残された青春の日をサッカーに捧ぐ。(年明けの高校サッカーで敗れた生徒たちの映像に重ねてアナウンサーが「センター試験まであと一週間、切り替えてガンバッて下さい」とエールを送るのも珍しくはないが‥‥。)

  昨年、G高校(サッカー全国レベルの私立中高一貫校)で11月までサッカーをやっていた子が一橋大学に合格した。M高校(いわゆる御三家といわれる一貫校)のサッカー部の子たちも、現役で 高校3年生 12名中、東大文一3名、理一2名、北大1名、早稲田大理工1名、福島県立医大1名進学した。彼らも、9月までのサッカー中心の生活から、残りの4,5か月、見事切り替えたわけである。

  そういえば、甲子園に行きたいと、埼玉の野球エリート校のS高校に進学した子も、8月の県大会の予選で敗れてから、本気で勉強し、首都大、MARCHに合格した。2年生になる前に《理系に進みたいが、理系の野球部員はそれまで前例がなく、両立が不安だと》相談しに来たが、結局二兎追う者は二兎手に入れた。

   《部活がたいへんだから勉強する時間がない》は全く通らないわけだ。むしろ部活が忙しく時間がないから、少ない時間の有効を利用しようとする。そして勝つための戦術を立てようとする。

           要は意識の問題だ。部活も勉強も両方 欲張っちゃいましょう。

2017.02.06更新|MJ通信